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が、運動会で一生懸命手伝ってあげたところスピードが出過ぎて、事故に合い訴えられたといったケースも出てきているわけでございます。
ですからボランティアのあり方というのも、これから本格的な高齢社会の中で、或いは少子化社会の中での新しい観点のボランティアを、もう1度見つめ直すという事。今、アナ・ミヤレスさんからお話がありました「タイムダラー」というものが非常に大きな役割と意味を持ってくるのではないかなと思います。ボランティアと言いますと無償でやるという様な発想が私どもに強いわけでございますが、これが有償であっても今の様なタイムダラー的な発想であれば、私ども日本人も堂々と受け入れられるのではないかなというふうに考えております。
先程、田中さんの方で阪神・淡路大震災に例をとって「行政が余り頼りにならない」と言われたわけでありますが、この様な突発的な大災害の場合には行政は市民1人ひとりの生命の安全確保に確認、それから水や電気などのライフラインを私どもで如何に確保するかという事に奔走されてしまい、そちらに取られる時間がおそらく8割〜9割だと思います。残った時間でボランティアの活動的な仕事をしなければならないので、当然そこに無理が出てきます。そういった意味で阪神・淡路大震災は私達にとって非常に大きな教訓というか、素晴らしい意味をもたらしてくれたのではないかなと思います。この素晴らしいボランティア精神を忘れる事なく、通常時、非常時に於いても、市民がこの様な気持ちを持って生活出来ればなというふうに考えておりますし、ぜひ先程のタイムダラーを真剣に行政としても研究してみたいと考えております。
田中 ありがとうございました。後でお2人にお話し願いますが、その後に時間があれば会場の方からアナ・ミヤレスさんの基調講演も含めて質問を受けたいと思います。
それでは間庭さんの方から5分程度お話願います。両者の今のお話を聞かれて、どのようなご感想でしょうか。
●アメリカのボランティアと日本のボランティア
間庭 先程の基調講演でアナ・ミヤレスさんのお話を聞きまして、アメリカのボランティア活動というのは、非常に力を持っているのだなという感じを強く持ちました。細部に渡ってお話がありました様に、先ずニーズ調査をして何をやるかを決定して、それぞれのプログラムを行使するグループも決めて、かつ3年間の予算計画書を作り、それを行政と企業に提出して資金を確保してくる。このような強い力は、移民により国を築いてきた長い間の歴史から養われたと思います。また、直ぐに寄付が集まるように社会的認知もされている様ですし、各企業が寄付も出し易いような社会的仕組みが出来ているような感じを受けました。
それに比べまして日本のボランティア活動そのものと、ボランティアに関する我々の認識というものが、まだまだ初歩的だなという感じを強く受けました。
ここで直ぐに理想論を言っても仕方のない事だと思うのですが、とにかくボランティア活動が必要な事は言うを待たないのですが、私どもの立場はどちらかというと行政とボランティア団体との中間に渡っているボランティア推進団体でございます。私ども中間団体

 

 

 

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